在留外国人へのインタビュー(アンケート)をするまでのステップと、注目すべき業界について紹介!
日本国内でも、ますます多くの外国人をみるようになっています。パンデミックが終わり旅行者が増えてきたということも関係していますが、同じくらい増えているのが在留外国人です。日本で暮らす外国人が増えるほど、新しいマーケットができ、お金の流れも変わります。今回は在留外国人のニーズを掴むうえで、注目すべき業界や、インタビューをするときの手順などを解説いたします。
目次
日本の在留外国人の増加について
近年、日本に在留する外国人の数は増加しています。法務省のデータによると、2023年末時点での在留外国人数は約341万人に達し、前年同期比で約11.1%増加しました。
とくに技能実習生や特定技能を持つ労働者の増加が著しく、これにくわえて、留学生や家族滞在者の数も増えつづけています。中国、ベトナム、フィリピンなどのアジア諸国からの移住者が非常に多く、この国の出身者が全体の増加を牽引しています。
日本政府は少子高齢化と労働力不足に対応するため、移民政策をこれまでよりも緩和して、多様な在留資格を設けて外国人労働者の受け入れを拡大しています。
2019年には「特定技能」制度が導入され、建設、農業、製造業など14の業種で外国人労働者が受け入れられるようになりました。これにより、これまで労働力不足が深刻だった分野での外国人労働者の数が急増しています。
そして2024年の現在、特定技能制度にはさらにほかの業界も追加されることが決まっており、この流れは今後もしばらく止まることがないでしょう。
在留外国人の消費動向と注目すべき業界は?
増加する在留外国人の消費行動は、日本企業にとって重要なマーケットチャンスを提供しています。以下に今後日本企業が狙うべき、在留外国人の消費について考えられることを業界ごとに紹介いたします。
食品・飲食業
在留外国人は母国の食文化を重視する傾向があり、エスニック食品や母国料理を提供するレストランの需要が高いです。
またハラール食品や、ベジタリアン対応の食品も重要です。スーパーや飲食店でのこうした商品の提供は、在留外国人の消費を引きつけるでしょう 。
実際にどのような食品がもとめられているのか、潜在層のユーザーから話を直接聞くのは非常に大切です。
住居関連サービス
賃貸住宅市場では、外国人向けの不動産仲介サービスがもとめられています。
外国人にとって言語の壁や契約手続きの複雑さがハードルとなるため、多言語対応の不動産エージェントや、外国人向けの住宅情報提供サービスの需要が高まっています。
教育・語学サービス
子供を持つ外国人家庭に対して、バイリンガル教育や母国語教育のニーズが存在します。
インターナショナルスクールや外国人向けの学習塾、オンライン教育プラットフォームの提供が効果的です。また日本語教育の需要も高く、言語学校やオンライン日本語学習サービスの展開も有望です。
医療・健康サービス
外国人にとって、母国語での医療サービスは安心するためにとても重要です。多言語対応の病院やクリニックの設置、医療通訳サービスの提供がもとめられます。また健康食品やサプリメント市場でも、在留外国人向けの商品展開が期待されています。
金融サービス
銀行口座の開設、送金サービス、保険など、外国人にとって使いやすい金融サービスの提供も重要です。多言語対応のオンラインバンキングや、国際送金手数料の低減などが競争力のあるサービスです 。
在留外国人の増加は、日本企業にとって新たな市場拡大の機会を提供します。これらのニーズに対応したサービスを提供することで、企業は外国人顧客を取り込み、持続的な成長を遂げることが可能です。
在留外国人へインタビューするまでのステップ
在留外国人へインタビューを行う手配をする際には、以下のステップが必要となります。
1. 目的とターゲットの明確化
- 目的の設定: インタビューの目的(たとえば消費者行動の調査、生活状況の把握、サービスの改善など)を明確にします。
- ターゲットの特定: インタビュー対象の在留外国人の属性(国籍、年齢、職業、居住地域など)を特定します。
2. インタビュー内容の準備
- 質問項目の作成: 目的にもとづいて具体的な質問項目を作成します。文化的な配慮も考えたうえで、わかりやすい言葉で表現することが大切です。
- 形式の選定: インタビューの形式(対面、電話、オンライン、アンケートなど)を決定します。
3. 対象者のリクルーティング
- リクルーティング方法の選定: 在留外国人コミュニティや関連団体、SNS、専用のリクルートサービスを利用して対象者を募集します 。
- 参加者への連絡: 対象者に連絡し、インタビューの趣旨、日時、場所、所要時間、報酬などを伝えます。
4. 法的および倫理的配慮
- プライバシー保護: インタビュー参加者の個人情報保護についての説明を行い、同意を得ます。
- 報酬の設定: インタビューに協力してもらうための報酬(謝礼)の設定と、それに伴う税務上の手続きなどを確認します 。
5. インタビューの実施
- インタビューの実施: 予定通りインタビューを行い、参加者の意見や回答を丁寧に記録します。
- データの整理: 得られたデータを整理し、分析に役立つかたちにまとめます。
6. 分析と報告
- データ分析: 収集したデータを分析し、目的に沿った結論やインサイトを導き出します。
- 報告書の作成: 分析結果をまとめ、関係者に報告書を提出します。
具体的なリクルーティング方法
外国人コミュニティへのアプローチ: 地域の外国人コミュニティや交流イベントを通じて、インタビュー対象者を探します。
オンラインプラットフォームの活用: FacebookやLinkedInなどのSNSを活用し、対象者を募集します。
専門リクルートサービスの利用: 外国人向けの求人サイトやリクルートサービスを通じて、対象者を見つけます。
法的な注意点
プライバシー法遵守: 日本の個人情報保護法に従い、インタビュー参加者の個人情報を適切に管理します。
労働法との整合性: 報酬を提供する場合は、日本の労働法や税法に従う必要があります。
これらのステップを踏むことで、企業は効果的に在留外国人のインタビューを実施し、貴重なデータを収集することができます
まとめ:業界での需要が高まっています
日本の在留外国人の市場は着実に拡大しており、その額は今後も増加する見込みです。経済成長と国際化の推進により、外国人労働者や留学生の数が増加しています。
とくに観光、教育、医療などのサービス業界での需要が高まっています。日本企業がこの分野での調査を進めることはとても重要です。市場の動向を知り、需要に応じたサービスや製品を提供することで競争力を高めることができます。また異文化理解や多言語対応など新たなビジネスチャンスも生まれる可能性があります。
このような動向を見逃さず、積極的な調査と戦略の策定がもとめられています。
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