訪日外国人の需要を理解するのに、在留外国人へのアンケートは有効? インバウンドニーズの調査
目次
現代人が旅行にもとめているものは?
旅行者が旅行にもとめているものは、急速に変化していきます。2024年のトレンドとしては、いったいどのようなものがあるでしょうか。
体験型旅行
- データ出典:USトラベル・アソシエーションの2023年調査
- 現状:旅行者の多くが「体験」を重視しており、文化体験、現地の食文化、アドベンチャースポーツなどが人気です。特に若年層は、SNSで共有できるユニークな体験を求めています。
2. ウェルネス旅行
- データ出典:Global Wellness Instituteの2023年報告書
- 現状:健康とリラクゼーションを目的とする旅行が増加しています。スパリゾート、ヨガリトリート、自然療法などが人気で、ストレス解消や心身のリフレッシュを求める旅行者が多いです。
3. サステナブル旅行
- データ出典:Booking.comの2023年「持続可能な旅行レポート」
- 現状:環境に配慮した旅行がもとめられています。エコフレンドリーな宿泊施設、現地の文化や自然を尊重するツアー、カーボンフットプリントの低減を意識した旅行計画が増えています。旅行者の76%が持続可能な旅行を重要視しています。
4. デジタルデトックス
- データ出典:Expediaの2023年「トラベルテックレポート」
- 現状:テクノロジーから離れ、自然とのつながりを求める旅行が人気です。スマートフォンやインターネットから解放されることで、リラックスし心の健康を保つことが目的です。
5. リモートワークと旅行の融合
- データ出典:Airbnbの2023年「トラベル&ワークトレンド」
- 現状:リモートワークの普及にともない、旅行と仕事を組み合わせるワーケーションが増加しています。旅行先で仕事をしながら、新しい環境での生活を楽しむひとが増えています。
6. パーソナライズド旅行
- データ出典:Tripadvisorの2023年「旅行者の行動調査」
- 現状:旅行者は自分の興味や好みに合わせたカスタマイズされた旅行をもとめています。AIを活用した旅行プランニングツールや、個別のニーズに応えるオーダーメイドツアーが人気です。
これらの要素を総合すると現代の旅行者はただの観光地めぐりではなく、自分自身の興味や価値観に合った深い体験をもとめています。
持続可能性、健康、パーソナライズドな体験が重要視される中で、旅行業界はこれらのニーズに対応するサービスや商品を提供することがもとめられています。
旅行地のトレンドとなっている国はどこ?
近年、旅行地としてトレンドとなっている国にはいくつかあります。とくに人気が高まっているのはアイスランド、日本、ポルトガル、コスタリカです。これらの国々は現代の旅行者が求めるものを多様なかたちで提供しています。
アイスランド
魅力と提供される体験
- 自然体験:アイスランドは、壮大な自然景観やユニークな地形が魅力です。旅行者は氷河ハイキング、温泉、オーロラ観賞などの体験を求めています。
- サステナブル旅行:持続可能な観光に力を入れており、多くのツアーが環境に配慮した運営を行っています。エコフレンドリーな宿泊施設や地元食材を使ったレストランも豊富です。
- デジタルデトックス:広大な自然の中でインターネットから解放され、リフレッシュする旅行プランが人気です。
ポルトガル
魅力と提供される体験
- 歴史と文化:リスボンやポルトなどの都市は、歴史的建造物や文化遺産が豊富です。ワインツアーや音楽フェスティバルも人気です。
- サステナブル旅行:ポルトガルは持続可能な観光地として認識され、エコツーリズムやサステナブルな宿泊施設が多くあります。
- ウェルネス旅行:ビーチリゾートや田舎のリトリート施設で、リラックスと健康を重視した旅行が提供されています。
コスタリカ
魅力と提供される体験
- エコツーリズム:自然保護区や国立公園が多く、エコツーリズムの先進国として知られています。熱帯雨林のハイキング、野生動物観察、サーフィンなどが楽しめます。
- サステナブル旅行:環境保護に重点を置いた観光業が発展しており、エコロッジや持続可能なツアーが充実しています。
- 冒険旅行:ラフティングやジップライン、火山探訪など、アドベンチャー旅行が豊富で、体験重視の旅行者に人気です。
日本
魅力と提供される体験
- 文化体験:日本は伝統文化と現代文化の融合が魅力です。茶道、書道、着物体験などが旅行者に人気です。
- ウェルネス旅行:温泉地やリトリート施設が多く、心身のリフレッシュを求める旅行者が集まります。ヨガリトリートや禅体験なども提供されています。
- パーソナライズド旅行:旅行者の興味に合わせたカスタマイズツアーが豊富で、グルメツアー、歴史探訪ツアーなど多様なニーズに応えています。
これらの国々は、現代の旅行者が求める体験、サステナビリティ、健康志向、デジタルデトックスなどのニーズに応える多様なサービスを提供しています。それぞれの地域が持つ独自の魅力を活かし、旅行者に特別な体験を提供することで、人気の旅行地となっています。
旅行者のニーズを深く理解するために、在留外国人へのアンケートは有効?
旅行者のニーズを深く理解するために、日本在住の外国人に対して大規模なアンケートを取ることは非常に有効です。以下にその理由をデータを引用しながら説明いたします。
◉豊富なインサイトを得られる
日本在住の外国人は、旅行者と同様に日本の観光地や文化体験を日常的に楽しんでいます。彼らの意見を収集することで、旅行者の視点からのフィードバックを得ることができます。
例えば、在日外国人コミュニティが活発な東京都や大阪府では、多様な国籍の人々が生活しており、多角的な視点からの意見が得られます。
◉リピーターと同じ視点
観光客は短期間の滞在で日本を訪れるのに対し、在留外国人は長期間日本に住んでいます。これにより、旅行者が気づきにくい長期的な魅力や問題点を指摘できる可能性があります。例えば日本政府観光局(JNTO)の調査によると、リピーターの観光客は初めて訪れる観光客よりも深い知識と理解を持っているため、在住外国人の視点はリピーターの視点と一致する部分が多いです。
◉多様な背景とニーズを知る
在住外国人は多様な国籍と文化背景を持っており、その多様性は旅行者のニーズを広範にカバーします。観光庁の「訪日外国人消費動向調査」(2023年)によれば、旅行者の消費動向やニーズは国や地域によって大きく異なります。例えばアジアからの観光客はショッピングに重点を置く一方、欧米からの観光客は文化体験に興味を示すことが多いです。
在住外国人の意見を収集することで、こうした多様なニーズをさらに細かく深く把握できます。
4. 具体的な改善提案につながる
在住外国人は日本での日常生活を通じて、日本の観光資源やサービスの改善点を具体的に把握しています。観光庁の「地域別観光資源開発調査」(2023年)によれば、観光地の魅力を向上させるためには、利用者の視点からのフィードバックが不可欠です。例えば、「交通アクセスの改善」や「多言語対応の充実」といった具体的な提案が期待できます。
5. 信頼できるフィードバック
在住外国人は日本に長期間住むことで、日本の観光地やサービスについての信頼性の高いフィードバックを提供できます。彼らの意見を継続的に収集することで、時期やトレンドに応じたデータを蓄積し、長期的な観光戦略の策定に役立てることができます。
まとめ
上記でも述べましたが、日本在住の外国人に対して大規模なアンケートを取ることは、旅行者の需要を知るうえで非常に役立ちます。多様な視点と具体的なフィードバックを得ることで、日本の観光地やサービスをさらに魅力的にするための有用なデータを収集できるのです。
もし在留外国人へのアンケートをご希望の方は、ぜひ一度ご連絡ください。