フィリピン人が日本への旅行で体験したいことは? ショッピング、食文化体験、観光地についてなどの傾向をまとめました
日本を訪れる海外からの旅行客が増えていますが、その中でもフィリピン人は2023年では62万2,300人と非常に多くの方がいらっしゃいました。消費額もコロナ以前の2019年の消費額の1.7倍になり、今後もさらに多くの方がフィリピンから日本へ旅行に来ることが予想されます。今回はフィリピン人が日本でしたいことや、日本が選ばれる旅行先になるために必要なことについて詳しく説明いたします。
目次
フィリピン人の旅行は増えている?
フィリピン・ペソと日本円の関係
フィリピンの通貨はフィリピン・ペソ(PHP)、日本の通貨は日本円(JPY)です。
現在の為替レートを見ると、フィリピン・ペソと日本円の交換比率は変動していますが、最近の傾向としては円安が進んでいます。これによりフィリピン・ペソで日本円を購入する際のコストが比較的低くなるため、フィリピン人にとって日本旅行はより気軽なものになっています。
現在はフィリピンの方にとって過去5年でももっともいい為替レートであるため、2024年はより多くの旅行客が見込まれています。
フィリピン人が日本でしたいことは?
フィリピン人が日本旅行でもとめている体験には、いくつか特徴があります。
ショッピング
フィリピン人旅行者が日本でもっともお金を使うのはショッピングです。とくに家電製品、化粧品、ブランド品、お土産が人気の購入品です。日本製の家電製品や電子機器は品質が高く、フィリピンでの価格よりも安く手に入ることが多いため注目されています。
また日本の化粧品やスキンケア製品も高く評価されており、多くのフィリピン人女性がこれらを購入しています。
食文化体験
日本の食文化はフィリピンでも人気が高く、日本のラーメン、寿司、和牛などのグルメ体験を楽しむことを重視しています。「食べ歩き」や「B級グルメ」など、カジュアルな食事を旅行に取り入れる方も増えています。
観光地訪問
フィリピン人は、日本の伝統的な観光地(京都、奈良、浅草など)や自然景観(富士山、桜の名所)を訪れることを楽しんでいます。
また大きなテーマパーク(ディズニーランド、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)も人気です。とくにSNS映えするスポットや、フォトジェニックな場所に関心が高いです。
温泉体験
温泉もフィリピン人の旅行者にとって人気です。とくに有名な温泉地(箱根、別府など)での宿泊体験や、温泉街の散策を楽しむ傾向があります。
文化体験
フィリピン人旅行者は、日本の伝統文化やポップカルチャー(※アニメ、マンガ、アイドル文化など)に対する関心が高いです。中でも茶道、着物体験、書道など、日本の伝統的な文化体験に参加することが多いです。
海外からの旅行客にとっての日本の強みと弱み
ここでは日本の強みと弱みについて考えてみましょう。
日本の強み
項目 | 内容 |
文化的多様性 | 伝統文化:京都や奈良の寺社仏閣、茶道や書道、着物体験など 現代文化:アニメ、マンガ、アイドル文化、最新のファッションやテクノロジー |
安全性 | 日本は非常に治安が良く、女性や家族連れにも安心して旅行できる環境が整っています |
サービスの質 | おもてなし精神に基づく高品質なサービスが提供され、ホテルやレストランでの顧客対応が非常に丁寧です。 |
季節ごとの魅力 | 四季折々の自然の美しさ(桜、紅葉、雪景色)や季節ごとのイベント(夏祭り、花火大会、冬のイルミネーション)。 |
食文化 | 多様で質の高い食文化(寿司、ラーメン、和牛など)が楽しめること。ミシュラン星付きのレストランが多数存在。そのほかの安価なお店でも、クオリティの高い食体験をすることができる。 |
効率的な交通システム | 新幹線やバス、地下鉄など、整備された交通インフラがあり、移動が非常に便利。 |
日本の弱み
次は、日本の弱みや近年の問題点についてまとめました。
項目 | 内容 |
言語の壁 | 英語が通じにくい場所が多く、観光客がコミュニケーションに苦労することがある。 |
コスト | 宿泊費や飲食費が高く、特に都市部では旅行コストが高くなることが多い。 |
観光地の混雑 | 人気の観光地では観光客が集中して、混雑や待ち時間が発生することが多い。人手不足の問題でタクシーが捕まらないなど。フィリピンからの旅行者にとって、より魅力的な旅行先にするには? |
旅行客を増やすためにさらに改善できることは?
フィリピンからの旅行客にとって日本がさらに魅力的になるには、どのような点で改善すればいいのでしょう?
項目 | 内容 |
言語サポートの強化 | ・主要な観光地や交通機関、レストランなどでの多言語対応の強化すること。また日本に住んでいる在留外国人や、留学生などを積極的に雇用してインバウンド対応を進める。 ・観光アプリや音声ガイドなど、旅行者向けの多言語サポートツールの充実。 |
観光地の分散化 | ・人気の観光地の混雑を避けるため、地方の魅力的な観光地のプロモーションを強化する。 ・地域ごとの特性を生かした観光プランを提案して、ローカルでのユニークな体験をする機会を増やす。 |
コストパフォーマンスの向上 | ・中小規模の宿泊施設やゲストハウスの充実を図り、宿泊費用の多様化を進める。 ・食事の選択肢を広げ、手頃な価格で楽しめるグルメやローカルフードのプロモーションをする。 |
自然災害対策の周知 | ・旅行者に対する自然災害時の対策や情報をシェアする方法をつくり、安心して旅行できる環境にする。 ・緊急時の避難場所や連絡手段に関する情報提供を適切に行う。 |
観光インフラの改善 | ・無料Wi-Fiの普及やモバイル通信の利便性を向上。 ・クレジットカードやデジタル決済のさらなる普及、旅行者が現金を多く持ち歩かずに済むようにする。 |