体験型から周遊型まで! 日本の文化を味わえる外国人観光客向けツアーの魅力とその課題
拡大を続けるインバウンド市場において、訪日外国人観光客の消費傾向は、商品購入を目的とした「モノ消費」から、日本独自の文化や体験を求める「コト消費」へと大きくシフトしています。
特に、日本文化を深く体験できる観光ツアーは高い評価を受けています。
本記事では、日本のツアーが持つ魅力や、外国人観光客に人気のツアーについて解説していきます。
目次
日本の観光ツアーの魅力
日本のツアーの魅力は、歴史、自然、文化、そして現代的な体験を融合させた多彩な観光資源にあります。
その多様性は訪日観光客の興味を引きつけ、何度でも訪れたくなるような体験を提供します。
日本のツアーが持つ特別な魅力として、以下のポイントが挙げられます。
世界が称賛する歴史と文化の体験
日本の歴史は、古代から現代までの長い時間の中で、独自の文化と伝統を育み、多層的な魅力を形成してきました。
西洋やアジア他国と異なる独特な発展を遂げており、武士道や侍文化、茶道、禅といったテーマは特に外国人の目にとってエキゾチックに映ります。
忍者修行、着物体験、茶道教室、さらには城下町を散策するツアーなど、五感で歴史を感じられるプログラムは、外国人観光客を魅了します。
四季と自然
日本の自然は、その多様性と四季の変化が生み出す独特の美しさで、多くの外国人観光客を魅了しています。山岳、湖、海、そして歴史と調和した風景など、自然をテーマにしたツアーは、訪れる人々に深い感動と癒しを与えます。
四季は、自然、文化、食事、祭りのすべてに影響を与え、それぞれの季節に特有の楽しみ方を提供します。
春夏秋冬の自然美と文化行事を組み合わせたツアーは、訪日外国人にとって忘れられない体験となるでしょう。
保存状態が良い歴史的遺産
日本では、歴史的建造物や文化財が精密に保護されています。例えば、京都や奈良の寺院は何世紀にもわたって維持されており、外国人がそのままの姿で日本の過去を体感できるのが魅力です。
食の魅力:豊かな味覚と文化を堪能する旅
日本は、美食の国として世界中で高い評価を受けています。
その多様な食文化は、伝統的な和食から地方の郷土料理、季節限定の特別メニューに至るまで、多彩で奥深い魅力を持っています。
日本の「食」をテーマにしたツアーは、訪日外国人に忘れられない特別な体験を提供します。
外国人観光客に人気なツアー
ここでは、代表的な3種類のツアーを紹介します。
体験型ツアー
観光地を「見る」だけではなく、寿司の握り方や着物の着付けなどを実際に「体験」できる体験型ツアーは、外国人観光客から絶大な人気を誇ります。
例えば、築地場外市場見学と寿司握り体験では、築地場外市場を訪れ、新鮮な海産物を見学した後、寿司の握り方を学ぶ体験ができます。
他の国にはない日本特有の文化を直接体験することで、忘れられない思い出を作ることができます。
自然・文化体験ツアー
自然・文化体験ツアーとは、日本の豊かな自然環境や伝統文化を直接体験できる観光プログラムを指します。
このツアーは、都市観光やショッピングとは異なり、地域の自然や文化に深く触れることで、日本の魅力を五感で感じられるのが特徴です。
里山でのサイクリングや森のトレッキングなど、自然と触れ合う活動はリフレッシュできる体験として人気です。
また、自然・文化体験ツアーでは日本の古き良き田舎の生活を垣間見られるため、都市部の喧騒を離れた「癒し」を求める観光客に好まれます。
たとえば、岐阜県の飛騨古川では、田舎の風景や日常を自転車で巡る「SATOYAMA EXPERIENCE」ツアーが提供されており、欧米豪の旅行者から高い評価を受けています。
自然と調和する活動は環境に優しく、エコツーリズムとしても注目されています。
周遊型ツアー
限られた旅行日程の中で主要な観光地を効率よく訪れることができる周遊型ツアーは、多くの外国人旅行者にとって理想的です。
また、日本は地域ごとに異なる文化や自然、都市風景を持っています。
東京の現代的な都市文化、京都の伝統文化、富士山や白川郷の自然景観など、複数の魅力を一度に楽しめる点が旅行者に好まれます。
たとえば、東京、富士山、京都、大阪を巡る「ゴールデンルート」は、初めて日本を訪れる旅行者に特に人気です。このルートは、日本の伝統、現代文化、自然、美食をバランスよく楽しむことができます。広島・宮島訪問ツアーは歴史と自然を組み合わせた周遊プランで、特にアメリカやカナダの旅行者から高い評価を受けています。
慣れない土地でも、ツアーなら移動や宿泊をすべて手配してもらえるため、快適に観光を楽しむことができます。
外国人観光客向けツアーにおける課題
魅力も多い一方、外国人観光客向けツアーには、以下のような課題が存在します。
これらの課題に取り組むことで、より満足度の高いツアーを提供できる可能性があります。
言語の壁
英語やその他の言語での案内が十分でないツアーが多く、外国人旅行者が内容を理解しにくい場合があります。
対応策としては、多言語対応のガイドやオーディオガイドの提供や、スマートフォンアプリを活用したリアルタイム翻訳の導入が挙げられます。
異文化理解の不足
日本の文化やマナー(脱靴、静けさの重視など)が伝わらず、旅行者との間に摩擦が生じる場合があります。
対応策としては、ツアー開始前に基本的な日本文化やルールを説明するセッションの導入や、
文化体験の中で、ガイドが背景やマナーを丁寧に解説することが求められます。
オーバーツーリズム
人気観光地では、観光客の過集中により、環境負荷や地元住民との摩擦が生じることがあります。
観光客を地方や隠れた観光地へ分散させるツアーを推奨や繁忙期以外のシーズンに特化したプランを設けることが必要です。
また、地方の隠れた観光地を周遊ルートに組み込むことは、地方活性化にもつながります。
多国籍旅行者への対応
旅行者の国籍や宗教による食事の制限や習慣の違いに対応しきれていない場合があります。
ハラール対応やベジタリアンメニューを提供するレストランとの提携や、宗教的配慮を考慮した観光プランの策定を通して、これらの課題を克服することができます。
おわりに
外国人観光客向けツアーは、日本独自の文化や自然を体験できる点が大きな魅力です。
寿司作りや茶道、着物体験といった体験型ツアー、富士山や白川郷を巡る自然・文化体験、東京・京都・大阪を巡る周遊型ツアーなど、外国人観光客は様々な点から日本を楽しむことができます。
一方、言語対応や人の過集中、環境負荷などの課題も存在します。
これらの課題への克服を通して、外国人観光客のニーズを深く理解し、地域と連携することで満足度の高いツアーが可能になります。
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