2024年に訪日観光客のあいだで見られた新しい旅行トレンドは? ソロトラベル、クルーズ観光、ロシア人の観光客

2024年、日本の観光業界ではこれまでとは異なる明確な変化が見られました。訪日外国人数は約3,687万人に到達して、前年比で47.1%増という記録的なのびを見せ、コロナのパンデミック前の記録を超えました。そんな中で訪日外国人観光客のあいだでは、昨年まではみられなかった新しいトレンドが見えてきています。
今回は最新のトレンドについて、記事の中でくわしく紹介いたします!
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2024年に見られた注目の新トレンド!
ひとり旅の増加
若年層を中心にソロトラベル(ひとり旅)の人気が急上昇しています。ある旅行会社のデータによれば、2024年の利用者のうち35%がソロ旅行者で、そのうち97%が18~28歳、72%が女性でした。
クルーズ観光の急成長
日本のクルーズ業界も大きな回復をとげました。観光庁は2025年に250万人のクルーズ客と2,000隻以上の船の受け入れを目指しており、コロナのパンデミック以前の受け入れ数を超えるいきおいです。
ロシアからの観光客が急増
ビザの緩和、円安、ルーブル高などを背景に、2024年はロシアからの訪問者数が大幅に増加しました。桜や自然など、日本の文化的魅力が支持されています。
ひとり旅(ソロトラベル)の増加
近年、ひとり旅(ソロトラベル) が世界的に急増しており、個人の成長や自由な旅のスタイルを求める人がますます増えています。以下は、その傾向を示す国際的な統計データです。
✅ 世界全体の傾向
Googleでの「ソロトラベル」に関する検索は、過去10年間で223%増加しており、関心が年々高まっていることがわかります。
(出典:Axios)
✅ イギリス(英国)
2025年には、イギリス人の24%がひとり旅を計画しているとされており、独立した旅の人気が高いことが示されています。
(出典:Solo Traveler World)
✅ アメリカ
2024年の時点で、世界中のZ世代・ミレニアル世代の76%がひとり旅を計画している、というデータがあります。若い世代ほどソロトラベルに積極的であることがわかります。
(出典:Statista)
これらのデータから、世界中で個人の自由やユニークな体験を重視する旅のスタイルが広がっていることがわかります。今後もソロトラベルはさらに注目されており、オーストラリアやタイ、日本といった国にはさらなるソロトラベルの観光客が増えると予想されています。
クルーズ観光の急成長
近年、クルーズ観光は世界的に急成長をとげています。以下に、その具体的な状況と要因をまとめます。
1. 世界的なクルーズ市場の拡大
利用者数の増加: 国際客船協会(CLIA)の報告によれば、2023年の世界のクルーズ利用者数は3,170万人で、これは2019年比で6.8%の増加となっています。2024年も3,470万人程度になっていることが予想されています。
今後の予測: 同報告では、2024年には3,470万人、2027年までに4,000万人に達すると予測されています。
2.日本におけるクルーズ観光の復活
観光客数の回復: 2024年、日本は約3,700万人の観光客を迎え、そのうちクルーズ利用者は約144万人で、前年から121%増加しました。
クルーズ船の寄港増加: 2024年には国際クルーズ船の寄港数が1,923回に達し、2019年の水準に近づいています。
このように島国である日本はクルーズ船の寄港地となることで多くの観光客にとって魅力的な旅行地になっています。
3.クルーズ観光の経済効果
地域経済への貢献:クルーズ船の寄港は、乗客の消費や船舶の補給活動を通じて、地域経済に大きな影響を与えます。たとえばオーストラリアでは、2023年から2024年にかけてクルーズ産業が84億3,000万豪ドル(AUD)の経済効果をもたらしました。
これは1AUD=98円の為替レートにした場合、8兆2614億円程度です。
4.若年層の関心と新たな市場
ミレニアル世代とZ世代の関心:クルーズ旅行は、ミレニアル世代やZ世代の旅行者からの関心が高まっています。たとえば、ヴァージン・ボヤージュは大人限定のクルーズを提供し、これらの世代をターゲットにしています。
新規参入企業の増加:オリエンタルランドなどの企業がクルーズ市場に参入し、クルーズ観光の多様化と拡大を促進しています。これらの要因が組み合わさり、クルーズ観光は世界的に急成長を遂げています。
ロシアからの観光客が急増
2024年、日本はロシアからの観光客数が大きく増加しました。
その数は約99,300人に達し、前年(41,960人)から136.6%増となりました。
この急増の背景には、以下のような理由があります:
✅ 1. ビザ手続きの簡素化
2023年11月から、日本はロシア人観光客に対するビザ要件を緩和しました。ホテルの事前支払い確認書が不要になるなど、申請がしやすくなったことが来訪増加に貢献しています。
✅ 2. ルーブル高による購買力の増加
ロシア通貨ルーブルの価値が上昇(※エネルギー価格の上昇などが要因となり年初から24%上昇)し、日本での消費がしやすくなったことも大きな要因です。
旅行費用を抑えながら高品質な体験ができる日本は、ロシア人旅行者にとって魅力的です。
✅ 3. ヨーロッパへの渡航制限の影響
多くのヨーロッパ諸国がロシアからのフライトを制限している中、代替の海外旅行先として日本が注目されました。特に東京や大阪といった都市が、その受け皿となっています。
✅ 4. 桜と文化的魅力
日本の桜の季節や伝統文化は、ロシア人にとって長年の憧れ。観光客の多くは、花見、寺社巡り、温泉などを目的に来日しています。
2025年以降の観光動向予測
大阪万博の影響
2025年の大阪万博に向けて、大阪は注目の観光地となりつつあります。貨物ターミナル跡地を緑地に変える「グランドグリーン大阪」など、都市再開発も進行中です。
サステナブル・ツーリズムの需要増
環境配慮型の観光体験(エコツアーやグリーン宿泊施設など)を求める旅行者が増えており、日本もそのニーズに対応する観光戦略を強化しています。
観光×テクノロジー
日本では、AIによるサービスや無人バーなどのハイテク体験が観光にも取り入れられ、より近未来的な体験が注目を集めています。
伝統文化体験への関心
能登半島地震の影響から復興を目指す輪島塗など、日本の伝統工芸への関心も高まり、旅行者が職人文化に触れる機会が増えています。
さらに広がっていくインバウンド市場
2024年の日本観光は、伝統的な人気に加え、新しい価値観に応じた体験の需要が高まりました。2025年以降は、持続可能性・テクノロジー・文化体験といったテーマがさらに重要となり、多様化する旅行者のニーズに応えることが成功のカギとなりそうです。
今後も訪日のインバウンド観光客は増加傾向で、商機を捕まえようと考えている方も多いのではないでしょうか。
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