消費トレンドは急速に変わっていきます。今回は訪日外国人の、最新の消費トレンドについてまとめました。2025年は4,000万人以上になるともいわれている、外国人旅行客による消費を増やしたい方にとって、耳寄りな内容になっています。

訪日外国人の新しい消費トレンド

◎ ウェルネスとマインドフルネス

日本での外国人観光客の消費傾向として、ウェルネス、マインドフルネス領域のものが増えています。具体的には、以下のようなものがあります。

禅の瞑想(Zazen)

多くの寺院では座禅体験を提供しており、静寂の中で精神を落ち着かせ、集中力を高めることができます。特に京都や鎌倉の寺院では外国人向けの座禅プログラムも実施されており、心の平穏を求める旅行者に人気です。

森林浴(Shinrin-yoku)

日本の豊かな森林を歩きながら五感を研ぎ澄ませ、ストレスを軽減し、心身の健康を促進する「森林浴」が注目されています。軽井沢や屋久島などは特に人気のスポットで、大自然の中でリフレッシュできます。

温泉(Onsen)

日本の温泉文化は、訪日外国人にとって魅力的な体験の一つです。大分の別府や箱根などでは、自然の中で心身ともに癒される温泉体験が楽しめます。

寺院宿泊(宿坊体験)

高野山のような仏教寺院では、精進料理、座禅、朝の勤行などを体験できる宿坊滞在が人気です。静寂な環境での滞在は、都会の喧騒を離れたい旅行者に最適です。

◎ 地方観光の需要増加

日本の主要都市への旅行が、過度な混雑によってうまく楽しめないと感じる旅行者が増えています。

人気が高まる北海道

そんな中で北海道は外国人観光客のあいだで人気が急上昇しており、認知度や訪問意向が大幅に増加しています。また青森県なども海外への情報発信を強化し、訪問意向を高めています。

さらに広島県、山梨県、大分県、岐阜県、石川県、熊本県などは、外国人延べ宿泊者数が年間100万人泊以上と、地方への訪問者数が増加しています。

これらの地域は豊かな自然環境や伝統文化、地元の食文化など、多様な魅力を持っています。地方自治体や観光業界が積極的にプロモーション活動を行うことで、さらなる外国人観光客の誘致が期待されます。

地元住民との摩擦

一方で観光客が増えることにともなって、地域住民との摩擦や環境への影響などの課題も生まれています。持続可能な観光を実現するためには、観光資源の保護や地域コミュニティとの共生を考えて取り組むことが重要です。

総じて、外国人の地方観光需要は増加傾向にあり、適切なプロモーションと持続可能な観光戦略を組み合わせることで、日本の地方はさらなる発展のポテンシャルを秘めています。

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医療ツーリズム

近年、日本を訪れる外国人観光客の中で、医療サービスを目的とした「医療ツーリズム」の需要が増加しています。とくにアメリカなど医療費が高額な国からの訪日者が注目されています。

アメリカでは医療費がとても高く、治療や検査を受ける際の経済的負担が大きいです。質の高い医療を比較的低コストで提供する日本が選ばれる傾向があります。

市場拡大の予測

世界の医療ツーリズム市場は拡大傾向で、2022年は約9,730億米ドルといわれており、2028年には3兆3,700億米ドルに成長すると予測されています。

日本でも2020年時点で、市場規模は5,507億円程度で、近年は確かな統計がないものの拡大が見込まれています。とくに人気があるのは、予防医療の領域で、健診・検診などの高度な医療サービスです。

スマートフォン使用時間の増加と新しい消費トレンドに関係はある?

日本における外国人観光客の新たな消費トレンドは、スマートフォンの使用時間の増加とも関係があるといわれています。旅行者は情報収集、予約、ナビゲーションなどでつねにスマートフォンを使っています。

モバイルコンテンツが旅行の意思決定に与える影響

携帯電話は旅行を計画し、体験するための重要なツールです。調査によると、旅行者の85%が旅行中のアクティビティを計画するためにスマートフォンを使用しています。これにはアトラクションの検索、レビューの閲覧、アクティビティの予約などが含まれます。

InstagramやTikTokのような旅行アプリや、ソーシャルメディア・プラットフォームは、ユニークな体験や目的地を紹介することで、旅行の意思決定に大きな影響を与えている。

ユニークで没入感のある体験に対する需要増

携帯電話の利用、とくにソーシャルメディアの利用が増えたことで、ユニークで没入感のある旅行体験に対する需要が高まっています

InstagramやTikTokのようなプラットフォームは、視覚的に魅力的で共有可能なコンテンツで繁栄しています。観光客はこれらのプラットフォームで共有できる体験をますます求めるようになっています。
これは日本における外国人観光客が、視覚に訴えるユニークな体験を提供するウェルネス・リトリート、季節のアクティビティ、農村観光を選ぶという傾向と一致しているといえるはずです

季節や自然をベースにした体験

季節や自然をベースとした体験の人気は、ソーシャルメディア上での共有性の高さに起因しています。

北海道のラベンダー畑、日本の伝統的な祭り、静かな温泉の写真や動画はソーシャルメディアへの投稿に魅力的なコンテンツを作り出し、より多くの観光客がこれらの体験を求めるようになります。

モバイル広告と即時予約

モバイル利用の増加は、モバイル広告や即時予約機能の増加にもつながっています。日本の旅行会社や地元企業は、観光客の閲覧履歴や位置情報に基づいて、パーソナライズされた広告をターゲティングすることができます。

この即時性により観光客は旅行プランを自発的に決定することができ、携帯電話で見たものに影響されることも多いです。

「視覚的に魅力的な共有体験」が新たなキーワード?

携帯電話の利用率を高めることで、観光客はオンラインで見つけた視覚的に魅力的でユニークな体験により多くの情報を得、影響を受けます。
その結果、没入感のある体験とソーシャルメディア上でのすぐれた共有性の両方を提供するアクティビティに対する需要が高まります。

このように日本における外国人観光客の旅行消費トレンドの変化と、携帯電話の利用との相関関係は明らかでしょう。

このトレンドを活用するために、企業や観光局は、視覚的に魅力的で共有可能な体験の創造に注力し、モバイル・マーケティング戦略を強化することができます。そうすることで、オンラインで共有できる次のユニークな冒険を探し続けている、テクノロジーに精通した観光客の注目を集めることができます。

おわりに

今回の記事では、海外で現地インタビューを行う際の注意点を述べてきました。

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