日本は世界中から観光客を迎え入れており、国内のインバウンド需要が増加しています。観光庁のデータによれば、2024年は約3,686万人の外国人観光客が訪れ、前年から47%も増加しました。

この急激な観光客増加のなかで、さらに顧客基盤をひろげていくためには外国語への対応ができるかが大切です。

今回の記事では、多言語対応が企業にもたらすメリットについてくわしく紹介いたします。事例として多言語対応が成功につながったものを紹介し、成功したエッセンスを説明していきます。

外国語対応をすることでの企業メリット

 競合他社との差別化

外国語へのリッチな対応を行うことで、競合に対して差別化することができます。とくに観光業、小売業では、言語の対応がなされているかどうかが、カスタマーからしてみると選択基準となることが多いです。この点を改善することで、他社よりも優位に立てます。

たとえば、浅草で着物の着付け体験を行っている店があるとします。
店Aのスタッフは日本語でしか対応できません。一方で店Bでは英語をはじめとした、数か国語で対応できるスタッフを配置しており、同じく数か国語で着付けの手順が書かれた紙が用意されています。

この場合、外国人観光客からすると店Bのほうが利用するまでの心理的な障害が低いです。言語の壁から生じるストレスもなく、スムーズにサービスを享受できます。その体験を顧客がハッシュタグをつけてインスタグラムなどで投稿してくれれば、UGC(ユーザー自身が作るコンテンツ)として多くの訪日客に自然とお店のことを紹介することができるわけです。

多言語対応の効果

母国語でのサポートを提供

顧客の7割以上が、母国語でサポートをしてくれる企業に対してより高いロイヤリティを感じる、という報告があります。

バイリンガルサインの効果

バイリンガルの店内サインは、顧客の行動意図や店舗への期待に対して、直接的な影響を与えます。英語対応が可能であること、中国語対応が可能であることを、顧客の目に入るような場所に置くだけでも売り上げは向上することが予想されます。

完璧なビジネスレベルの対応ができなくてもかまいません。相手の心理的な障壁を取り去る意味でも、バイリンガルサインをお店の中に出すことができるとよさそうです。

効果的にサインを置くことができれば、最大で売り上げを30%増やすことができるという統計がでています。

顧客基盤のさらなる拡大

多言語対応によって顧客の満足度が高ければ、リピートの獲得にもつながります。

たとえばドイツ人のユーザーが浅草にあるお店で、面白い体験、満足ができる体験をしたとして、このユーザーがインスタグラムとFacebookでこの投稿をポストすると、ユーザーをすでに知っているドイツのユーザーが多くお店のことを知ることになります。

ひとりの顧客に対して正しい多言語対応することで、数百人のユーザーにリーチすることができ、多くのユーザーを獲得することが可能になります。
インバウンドの収益を増やすためには、このような多言語対応に予算を割くことが、重要になるともいえます。

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多言語対応で大切なのはストレスフリー

多言語対応というケースで見てみると、以下の3つの要素に分解できます。

顧客のニーズ対応

円滑なコミュニケーション

言語の壁によるトラブルの減少

これらの要素は、すべて「ストレスフリー」という特徴があります。
せっかくの旅行でその土地ならではの体験をしたいと顧客は考えています。もし言葉が通じないために、スムーズに体験を享受できなかったり、トラブルでイライラしてしまうと、せっかくの旅行が台無しになってしまいます。

つまり多言語対応においては、「ストレスフリーであること」が顧客にとって非常に重要なのです。

成功事例:「Payke(ペイク)」訪日外国人向け買い物サポートアプリ

ここからは、具体的な成功例である「Payke(ペイク)」というアプリについて説明します。

Paykeとは、訪日外国人の買いものをサポートするアプリです。アプリ内のカメラで商品のバーコードを読み取ると、自身が設定した言語で商品情報や口コミを読むことができます。

対応している言語は、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、英語、ベトナム語、タイ語、日本語。この豊富な言語対応により、日本語が不自由な訪日外国人に人気のアプリになっています。

2024年8月時点で、累計ダウンロード数は500万を突破しており、そのうちの99%が外国人です。また旅行の時に利用した人たちがSNSを通じて、「日本旅行に役に立つアプリ」として紹介してくれているためユーザー数が順調に増えています。

いまでは1300社以上50万点の商品に対応しており、今後も帰国後にお気に入りの商品を再購入できる有料サービスを開始する予定があるなど、まだまだ成長が見込まれるサービスです。

これからもわかる通り、顧客満足度向上が顧客基盤の拡大にダイレクトにつながっています。

おわりに

いかがでしたか? 多言語対応は訪日外国人のストレスをなくし、企業にとっても他社との差別化と顧客基盤の拡大を図れるということがわかりましたね。

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