中国版TikTok、抖音(ドウイン)とは? 企業のマーケティング成功事例などを徹底解説!
世界的に人気なショート動画アプリのTikTokですが、中国版があることはご存知でしょうか。その名も「抖音(ドウイン)」といい、世界で配信されているものとは違っているところがあります。
この抖音(ドウイン)を使用してマーケティングを行い、大成功をおさめた企業も多いです。
本記事では、抖音(ドウイン)の特徴とTikTokとの違い、抖音でのマーケティング成功事例などを解説していきます。
目次
中国版TikTok、抖音(ドウイン)とは?
抖音(ドウイン)はByteDance(バイトダンス)社が2016年に中国国内にむけて開発・リリースしたアプリです。同社は2017年にTikTokをリリースしています。
TikTokと同じように、ダンスなどのさまざまなコンテンツの短い動画を撮影・編集して共有できるSNSアプリとなっており、若者からはじまって広い世代に利用されています。
抖音(ドウイン)の特徴
大きくわけて3つの特徴があります。
中国ローカルの設計
抖音(ドウイン)は、中国のために開発されたアプリであり、UIやコンテンツは中国独自の文化やトレンドをベースにしてつくられています。
例えば、動画を撮るときに使えるフィルターやエフェクトは、中国のお祭りや風習にあわせたものが多く、ユーザーが親しみを感じやすいように設計されていることがわかります。
また、地域ごとのトレンドやユーザーの好みを分析してコンテンツがカスタマイズされ、興味のある動画を簡単に見つけられるようになっています。
このようにコンテンツがローカライズされていることにより、ほかにグローバル展開がされているプラットフォームと比べても没入できるサービスになっています。
強力なEコマース展開
抖音(ドウイン)は、動画やライブ配信を通じて商品を直接買うことができるサービスがあり、特にライブコマースによる購入の割合が大きいです。
ライブコマースとは、ライブストリーミング中に商品を紹介し、それを見ているユーザーが気に入ったものをその場で購入できる仕組みのことをいいます。
視聴者と配信者がリアルタイムで会話をすることができるため、商品について気になるところなどを聞くことができます。
ユーザーは商品のレビューや使用方法を直接見て確かめることができるので、「思っているものと違う商品だった」ということがおこりにくくなります。
また、ブランドや配信をするインフルエンサーもユーザーに直接リーチできるため、マーケティング戦略においてとても重要なものとなっています。
中国の規制にのっとったコンテンツ管理
中国のインターネット規制に引っかからないように厳格なコンテンツ管理が行われています。政治的なトピックや不適切とされるコンテンツは厳しく監視され、もしアップロードされた場合にはすぐ削除されます。
また、未成年が安心して利用できるように「未成年用モード」が設定でき、利用時間の制限や閲覧可能なコンテンツのフィルタリングをすることができます。
TikTokと抖音(ドウイン)の違い
TikTokと抖音(ドウイン)の違いは大きくわけて4つあります。
コンテンツの特化
抖音(ドウイン)はユーザーに親しんでもらうために中国独自のローカルな文化を取り入れたフィルターやエフェクトを実装しています。また、地元のトピックやトレンドが反映されたチャレンジが多く見られます。
対してTikTokでは、グローバル展開がされているため、さまざまなコンテンツが集まっています。地域ごとのトレンドや文化がベースになったコンテンツもありますが、全体としては世界的に流行しやすいコンテンツが多いです。
コンテンツの規制
抖音(ドウイン)は中国政府による制限に引っかからないように、運営による厳しいコンテンツ管理がされています。基本的に過激なものや政治的なものは削除される傾向があります。
TikTokも各国の規制に従っていますが、中国のように厳しい検閲は特にありません。しかし、地域ごとの規制や法律にのっとったコンテンツの管理が各国で行われています。
Eコマース機能
抖音(ドウイン)は強力なEコマース機能が実装されており、ユーザーがアプリ内で直接商品を購入しやすくなっています。
ライブストリーミングを通じての販売や、ショッピングリンクを動画にうめこむことが可能です。企業が直接消費者にリーチできるプラットフォームとして活用されています。
TikTokにもEコマース機能は導入されつつありますが、抖音(ドウイン)ほど広まってはいません。ブランドとのコラボレーションや広告での収益を稼ぐことはできますが、Eコマースの部分では遅れをとっています。
サービス実装の速度
抖音(ドウイン)はByteDance社が新しい技術やサービスを最初にテストする場として使われることが多く、新機能が先行して実装されることがあります。
例えば、フィルターなどに使われている顔認識技術やAIによるコンテンツ提案などがあげられます。
TikTokの機能はシンプルで使いやすいものが実装されています。ほとんどが先に抖音(ドウイン)でテストされており、地域ごとにあわせたサービスなどはありません。
抖音(ドウイン)を使用した中国企業のマーケティング成功事例:パーフェクトダイアリー
パーフェクトダイアリー(Perfect Diary、完美日記)は、中国の化粧品ブランドで、抖音(ドウイン)を活用したマーケティングで大成功をおさめた代表的な企業の1つです。このブランドはわずか数年で中国のコスメ市場において急成長し、知名度を爆発的に上げることができました。
ここでは、Perfect Diaryのマーケティングを成功させた5つの要点を紹介していきます。
インフルエンサーとのコラボレーション
抖音(ドウイン)で多くのインフルエンサーやKOL(Key Opinion Leaders)と積極的にコラボをすることにより、短期間で多くの人に知ってもらうことができました。
具体的には、 人気インフルエンサーがPerfect Diaryの商品を使ってメイクをする動画を投稿し、商品をアピールしました。これにより、ユーザーが商品に興味を持ち、購入につながるようになりました。
インフルエンサーのファンベースを活用することにより、パーフェクトダイアリーはターゲット層の若者にリーチすることができました。また、インフルエンサーの推薦による信頼感が、購買意欲を高める結果につながりました。
UGC(User-Generated Content)の活用
ユーザー生成コンテンツ(UGC)を活用し、ユーザーが自分からコンテンツを作成・共有するようにしました。これにより、自然発生的なブランドプロモーションが生まれました。
例えば、商品を使用したメイクアップチュートリアルやレビュー動画を抖音(ドウイン)に投稿することを、ハッシュタグチャレンジや商品レビューキャンペーンを通じて呼びかけました。
これにより、多くのユーザーが投稿をおこなってブランドの知名度が上がりました。またユーザーの口コミも多く投稿され、信頼度の高いプロモーションをすることができました。
ライブストリーミングによる販売促進
ライブストリーミング機能の利用も購入の増加につながりました。
ブランド自体がライブ配信を行うだけでなく、有名なインフルエンサーと共同でライブストリーミングを行い、商品の使い方や特徴を紹介しました。
ほかのライブ配信と同じように、ユーザーはコメントを通じて直接質問ができ、その場で商品を購入できるようになっていました。
さきほども説明したように、ライブストリーミングは、ユーザーと直接コミュニケーションをとれるため、商品に対する信頼感が増し、購買意欲を高める効果があります。
リアルタイムでのフィードバックやQ&Aも不安の解消・即時購入の増加につながりました。
ターゲット層に特化したコンテンツ戦略
主に18歳から30歳までの若い女性をターゲットにしたコンテンツ戦略を展開しました。この層は化粧品に対する関心がとても高く、トレンドに敏感な層となっています。
ファンデーションの多色展開などの特徴を強調し、若い女性が共感しやすく、ニーズの高いコンテンツを多く配信しました。
また、季節やイベントにあわせた限定コレクションやプロモーションを展開し、ターゲット層の購買欲を刺激しました。
ターゲット層に対する深い理解と、それにもとづいた視覚的なコンテンツ配信という戦略が欠かせなかったということがわかります。
データ駆動型のマーケティング
抖音(ドウイン)のデータ分析機能を活用して、マーケティングの効果を常にモニタリングしていたこともマーケティングの成功につながりました。
ユーザーの視聴履歴や行動データをもとに、パーソナライズされた広告を配信したり、コンテンツの内容やタイミングを調整しました。また、インフルエンサーやキャンペーンの効果を分析し、次回のマーケティング施策に活かしました。
このようなデータにもとづいたアプローチにより、マーケティング投資のROI(Return On Investment)を最大化し、むだのない効果的なキャンペーンを展開することができました。
これらのマーケティング戦略により、パーフェクトダイアリーは短期間で急成長し、中国国内での化粧品マーケットにおけるリーダーとなりました。特に抖音(ドウイン)でのマーケティング活動が、新しいターゲット層へのアプローチとブランド認知度の向上につながりました。
ユーザーの心をつかむためのインフルエンサーの活用やUGCの促進、ライブストリーミングなどの方法を使い、従来のものとは違ったマーケティングで成功することができました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。パーフェクトダイアリーの事例から、ターゲット層への的確なビジュアルアプローチがマーケティングの成功につながることがわかりましたね。
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