2024年を総括! 訪日外国人が求めている「モノ消費」「コト消費」の最新版を紹介します
目次
日本を訪れている外国人の数は?
2024年10月の訪日外国人の旅行者数は、過去最高の331万人を記録しました。1月から10月までの累計はすでに約3019万2600人となり、これは統計開始以来もっとも来日者が多いといえます。2024年の年間訪日外国人旅行者数は、2019年の約3,188万人を上回り、過去最高を更新する見込みです。
日本が旅行地として選ばれている理由
2024年、日本が旅行地として選ばれている理由には、文化的魅力に加え、経済的な要因が大きく影響しています。
まず為替レートの影響で、日本円の価値が相対的に低くなっており、とくにアメリカやヨーロッパからの旅行者にとっては、日本での旅行費用が割安になっています。この優位性により、高級宿泊施設やグルメ体験を日本ではこれまでよりもリーズナブルに楽しめる点が大きな魅力となっています。
さらに訪日旅行者向けの免税制度や、政府の観光振興策も追い風となっています。たとえば多くのショッピングエリアで、手軽に免税手続きが行えること。地方観光のプロモーションが進んだことで、東京や京都だけでなく、もっと日本人しかほとんどいないような、マイナーな場所へ行く人も増加しています。
訪日外国人のモノ消費の動向について
化粧品・医薬品
日本製の高品質な化粧品や医薬品は、とくにアジア圏の旅行者から高い人気を博しています。信頼性や安全性が評価され、ドラッグストアでのまとめ買いが一般的です。
たとえば渋谷などの地域では、多くの観光客が観光を楽しみながら、日本の化粧品や医薬品をお得な価格で購入できるドラッグストアを訪れることがよくあります。とくにツルハドラッグやドン・キホーテ、マツモトキヨシといった店舗は、外国人旅行者に人気があり、幅広い品揃えと免税ショッピングの選択肢を提供しています。
日本の化粧品はその品質と手頃な価格が魅力で、スキンケアからメイクアップ製品まで、多くのひとびとに求められています。また日本の医薬品も風邪薬や健康サプリメントなどの市販薬が効果的で品質が高いと評価されており、観光客にとても人気です。
コンビニで買える食品・菓子類
日本のコンビニエンスストアは、日本文化を体験できる観光スポットとして人気を博しています。その理由として、24時間営業や多彩な商品ラインナップ、地域限定商品などが挙げられます。特に、レジ横のホットスナックコーナーにあるフライドチキンや、独自の菓子パンは外国人から高い評価を受けています。
SNS上では、訪日外国人が日本のコンビニでの体験をシェアする投稿が増加しています。たとえば、アメリカ人観光客がセブン-イレブンの卵サンドを「最高」と絶賛する投稿や、オーストラリア人がコンビニ内で自分で淹れられるホットコーヒーやスムージーに感動したという声が日本を訪れる計画がある外国人にとっては、日本でかならずやりたいことになるといった具合です。
これらのSNS投稿は、日本のコンビニの魅力を世界中に広め、訪日外国人の増加に寄与しています。多言語対応や地域限定商品など、外国人観光客向けのサービスが充実している点も、彼らの満足度を高める要因となっています。
このように、日本のコンビニは訪日外国人にとって買いもの以上の価値を提供し、SNSを通じてその魅力が広がっています。後述しますが、モノを消費しているようでいて、コトを消費しているともいえるかもしれません。
ファッション・アクセサリー
ユニクロとGU
ユニクロは、高品質で手頃な価格の商品を提供する日本発のブランドとして、海外でも広く支持されています。日本在住の外国人を対象とした調査では、ユニクロが最もよく利用されるファストファッションブランドとして挙げられています。その理由として、信頼性、着心地の良さ、豊富なアイテムラインナップが評価されています。また、GUもトレンドに敏感な若い世代を中心に人気があり、デザイン性と価格のバランスが支持されています。
高級ブランド
一方、円安の影響で、日本国内での高級ブランド商品の価格が他国と比較して割安になっていることから、ルイ・ヴィトンやシャネルなどの高級ブランド品を求めて訪日する観光客も増加しています。特に、中国からの旅行者は、日本での買い物を目的とするケースが多く、銀座や表参道などの高級ショッピングエリアでの消費が活発です。
日本国内のハイブランド
コムデギャルソン(Comme des Garçons)、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)、イッセイミヤケ(ISSEY MIYAKE)など、世界的に評価が高い日本ブランドを目当てにして来日する旅行者も多いです。
これらのブランドは、海外での販売価格が日本国内より高く設定されている場合があります。
訪日外国人のコト消費の動向について
自然観光
2024年、日本を訪れる外国人観光客の間で、自然観光体験の人気が高まっています。特に、紅葉の美しさが際立つ秋の季節には、多くの旅行者が日本を訪れています。
例年、富士山や京都の嵐山などの定番スポットが人気ですが、2024年には新たな傾向が見られます。例えば、四国の秘境・祖谷渓谷でのラフティング体験や、北海道の知床半島での野生動物観察ツアーなど、従来はあまり知られていなかった自然体験が注目を集めています。これらの体験は、SNSや旅行口コミサイトでの情報共有を通じて広まり、訪日外国人の関心を引きつけています。
さらに、地方自治体や観光業者が積極的に英語や中国語などの多言語対応を進め、外国人観光客が安心して参加できる環境を整備していることも、これらの新たな自然観光体験の人気を支える要因となっています。このように、2024年の訪日外国人の自然観光体験は、多様化と深化が進んでおり、例年とは異なる新たな魅力が生まれています。
食体験
日本を訪れる外国人観光客のあいだで、食の観光体験は例年よりもさらに多様化しています。
とくにアジア圏からのリピーターが増加し、より深い日本食体験をもとめる傾向が強まっています。これに伴い、地方の郷土料理や地元の食材を活かした体験型の食事が注目されています。さらに訪日客の飲食店選びでは、百貨店のレストランフロアが賑わいを見せており、とくに高島屋などでは外国人客の姿が多く見られています。
例年と比較すると、単なる食事から体験型の食文化への関心が高まっており、地域固有の食体験や地元住民との交流を重視する動きが顕著です。このような変化は、訪日外国人が日本の多様な食文化をより深く理解し、楽しむことをもとめていることを示しています。
エンターテインメント
東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどの大型テーマパークは引きつづき高い人気を誇っています。一方で地方都市での伝統的な祭りや、イベントへの参加も増加傾向にあります。
たとえば青森のねぶた祭りや徳島の阿波踊りなど、地域独自の文化を体験できるイベントが注目を集めています。またアニメや漫画の聖地巡礼として、秋葉原や池袋などを訪れるファンも増加しています。さらに歌舞伎や能などの伝統芸能の鑑賞も、外国人観光客の関心を引いています。
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おわりに
いかがでしたでしょうか。本記事では、2024年の訪日外国人観光客のコト消費と、モノ消費について見てきました。
今後も日本を訪れる外国人は同じ程度か、さらに増加するのではないかといわれています。
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