外国人観光客に売れるお土産の共通点! 秘訣は「パッケージ」? 需要を理解して売り上げUP!
近年、日本を訪れる外国人観光客数は増加の一途をたどっています。観光地やショッピングモールでは、観光客が商品を購入する光景が日常となり、各地で地域経済に貢献しています。
しかし、全ての商品が同じくらい売れているわけではありません。
外国人観光客に特に人気のある商品には、いくつかの共通点があります。本記事では、外国人観光客に売れる商品の共通点や、国別でよく購入されているもの、実際の商品例などを説明していきます。
目次
外国人観光客の国別・1人あたり購買費ランキング
国別ランキング
観光庁の『インバウンド消費動向調査』によると、2024年7~9月期の外国人観光客の旅行消費額は1兆9,480億円と推計されています。その中でも、購買費は28.9% の5,622億円を占めていました。
国別の購買費ランキングは以下のようになっています。
順位 | 国 | 購買費(単位:億円) |
1位 | 中国 | 1,976 |
2位 | 台湾 | 1,099 |
3位 | 韓国 | 585 |
4位 | 香港 | 528 |
5位 | アメリカ | 363 |
6位 | ベトナム | 95 |
7位 | オーストラリア | 90 |
8位 | フィリピン | 76 |
9位 | カナダ | 71 |
1位は2018年ごろの「爆買い」現象で、買い物のイメージがついている中国(1,976億円)でした。2位は台湾(1,099億円)で、中国と大きく差がついています。この2か国のみが1,000億円を超える消費をしていますね。
3位は韓国(585億円)で、4位は香港(528億円)です。上位4か国はアジアが独占していました。観光客数だけでなく、日本旅行自体のリピーターも多いことがアジアの購買費が高い理由だと考えられます、
5位はアメリカ(363億円)です。欧米ではトップの購買費ですが、香港などと比べると下がります。
6位以下からは100億円に届いておらず、6位ベトナム(95億円)、7位オーストラリア(90億円)、8位フィリピン(76億円)、9位カナダ(71億円)という結果になりました。
総じて、アジア圏の国が多いことがわかりますね。
1人あたり国別購買費ランキング
『インバウンド消費動向調査』では、1人あたりの旅行支出は223,195円と推計されています。そのうち購買費は、28.3%の63,267円を占めています。
1人あたりの国別購買費ランキングは以下のようになります。
順位 | 国 | 購買費(単位:円) |
1位 | 中国 | 98,418 |
2位 | 香港 | 76,160 |
3位 | 台湾 | 73,396 |
4位 | ロシア | 64,472 |
5位 | ベトナム | 64,086 |
6位 | フランス | 58,990 |
7位 | アメリカ | 58,923 |
8位 | スペイン | 58,508 |
9位 | シンガポール | 57,413 |
1位は先ほどのランキングと同じく、 中国(98,418円)になりました。中国では「高いものが良いもの」という考え方が根付いており、高級品を買う傾向にあります。そのため、ここまで購買費が高くなったと考えられます。
2位は香港(76,160円)、3位は台湾(73,396円)でした。この2か国も先ほどのランキングで上位でしたね。
4位はロシア(64,472円)でした。ロシアからの観光客が比較的少ないため、1人あたりの単価が高くなっていることが理由だと思われます。
それ以降は、5位ベトナム(64,086円)、6位フランス(58,990円)、7位アメリカ(58,923円)、8位スペイン(58,508円)、9位シンガポール(57,413円)となりました。
外国人観光客がよく買うお土産
化粧品・スキンケア用品
さまざまなブランドの化粧品が人気ですが、国によって好まれるブランドや値段が違います。
中国では高級ブランドがよく購入されています。特に人気なのは資生堂やSK-Ⅱです。この2つのブランドは、同国内でも広く展開されています。先ほども説明したように、値段が高いものが良いものとされているため、人気だと考えられます。
韓国ではプチプラブランドが人気です。セザンヌやCANMAKE、DHCを購入する人が多く、中国とは違って手ごろな価格のものが人気となっています。SNSで話題になっている商品が売れる傾向があります。
食品
日本限定のインスタントラーメンが人気です。
特に、一蘭が出しているカップ麺がよく売れています。上野のアメ横商店街などでも、一蘭を前面に売り出しているドラッグストアが多く、夜には大体が売り切れています。
日本以外では手に入れることができないラーメンが多いため、大量に購入していく人も少なくありません。
お菓子
日本独自の要素が入っているお菓子がよく売れています。
キットカットは、親しみやすいチョコレートに日本限定のフレーバーが追加されていることから、お土産のメインとなっています。抹茶味や桜味などの海外では売られない味が個包装になっているため、ばらまき用として人気です。
白い恋人も北海道の機内食として出されてから知名度が急激に上がり、よく購入されるようになりました。北海道限定のお土産ですが、海外のサイトで転売されるほど人気を博しています。
アルコール飲料
日本酒とウィスキーが人気です。
日本酒の人気はもちろんですが、ジャパニーズ・ウィスキーは近年海外売上が伸びており、今では日本酒にせまる人気度を誇っています。海外で購入するとなると高いため、日本で買う人が多いです。
韓国ではサントリーの角ハイボールが人気となり、わざわざこれを買うためだけに訪日した人もいました。また、アサヒビールが販売した泡が出てくるビール缶も韓国のSNSで話題になり、品薄状態が続きました。
ブランド品
円安の影響により日本で買うと安くなるため、ハイブランドのバッグなどが多く買われています。
最近は免税店や百貨店だけではなく、アウトレットでより安く購入することができます。そのため、各地のアウトレットに外国人観光客が散見されます。
アニメ・漫画グッズ
日本のアニメと漫画、それに関連したグッズの売れ行きも好調です。
ブラジルでは『ドラゴンボール』などが昔から放送されている影響で、日本のアニメは国民的な人気を誇っています。そのため、日本でしか買えないグッズがとても人気です。
医薬品
解熱剤や鎮痛剤、栄養サプリなども、近年高まってきた健康志向に伴って人気となってきています。日本の医薬品は安全・安心という評価がされており、品質が信用されていることが人気の理由だと考えられます。
特に人気なのはのど飴で、龍角散は効果が高いと好評です。ドラッグストアなどでも大量に購入されています。
売れるお土産の共通点
SNSで話題になった
こちらは日本人を対象にしている商品にも言えることですが、SNSで話題になった商品がよく売れます。
特に中国や韓国では、口コミが命であるため、SNSで好評の商品を買えば間違いないという風潮があります。そのため、日本以外の国のSNSで話題となれば、外国人観光客をターゲットとすることができます。
日本らしさがある
日本の要素を取り入れた商品開発も重要です。
旅行先では、いつでも買えるようなものではなく、「お土産感」があるものを買いたいと思うのが普通です。そのため、日本・地域限定といった文言をつけてみることも大切になってきます。
個包装にされている
個包装も重要な要素となってきます。
海外には個包装されているお菓子などが少なく、お土産として買うには別々のお菓子を大量に買わなければいけないことがあります。しかし、日本のお土産として売られているお菓子は個包装されているものが多く、ばらまき用として人気が高いです。
また、かさばることもないので、他の国のものとは違ってコンパクトにまとめることができます。
外国人観光客に売れるお土産の実例
ヨックモックシガール
ヨックモックはお土産として外国人観光客によく買われているお菓子です。青山の店舗などは、連日観光客でにぎわっています。
そんなヨックモックの人気の秘訣はパッケージです。デザインが4種類あり、日本の春夏秋冬をイメージしてデザインされています。日本らしさを感じることができ、帰国した後でも日本の景色を思い出せるような設計となっています。
食べて終わりではなく、目でも楽しめるパッケージは、外国人観光客の心を掴んでいます。
アサヒスーパードライ生ジョッキ缶
アサヒビールが2023年に数量限定で売り出した『アサヒスーパードライ生ジョッキ缶(以下、生ジョッキ缶)』は、韓国人を中心とした外国人観光客に大好評となり、品薄状態が続きました。
韓国ではこの生ジョッキ缶がSNSで話題となり、日本旅行に行った人が続々と購入しました。
SNSで人気となった理由としては、缶から生ビールそのものの泡が出てくる光景が珍しく、写真映えするということだと考えられます。
ドン・キホーテ
具体的な商品ではありませんが、ドン・キホーテ(以下、ドンキ)は外国人観光客がお土産を買うスポットとして大人気の施設です。2024年6月には、売上高が2兆円を超えています。
ドンキの商品が人気な理由はパッケージにあります。外国人観光客の目を惹くために、できるだけ英語を使わないようにしているのです。
英語などを使ってわかりやすくした商品よりも、日本語を使っている商品の方が珍しく、観光客にとってより異国感のあるお土産となります。日本らしさをあえて残すことにより、お土産としての人気を高めているようです。
おわりに
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