世界有数の大都市、東京。観光地としての地位をすでに確立しており、観光庁による2023年度の宿泊統計調査では、年間に宿泊した外国人観光客数が約4,300万人と、他の都道府県に大差をつけて1位となっています。

東京が人気な理由の1つとして、見どころがたくさんあるというものがあります。浅草では食べ歩き、銀座ではショッピング、表参道ではカフェ巡りなど、観光地ごとに様々な楽しみ方ができます。

それでは、中でも特に人気の観光地とはどこなのでしょうか。本記事では、海外の国別に人気の東京の観光地をランキング形式で見ていきます。

東京が依然として大人気

都道府県別外国人観光客宿泊者数

順位都道府県延べ宿泊者数
1位東京都43,637,550
2位大阪府18,755,090
3位京都府12,133,480
4位北海道7,131,890
5位福岡県5,037,830
6位沖縄県4,477,820
7位神奈川県3,226,340
8位千葉県3,219,060
9位愛知県1,493,430

観光庁による宿泊旅行統計調査『2023年・年間都道府県別外国人延べ宿泊者数』では、東京は4363万7550人泊で1位となり、2位に1875万5090人泊の大阪、3位に1213万3480人泊の京都が続きます。

この結果から、東京に滞在する外国人観光客は、他の都道府県と比べても非常に多いということが確認できます。

2位以下の都道府県も、観光地として有名な場所ばかりがランクインしていますが、東京に近い神奈川や千葉などは宿泊客数が少ないことが分かります。

特に千葉は成田空港があるため、経由地として通るだけで、実際に外国人観光客が滞在する場所は東京というケースが多いです。

外国人観光客に1番人気の東京観光地はどこ?

東京で訪問した場所

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位渋谷67.1
2位新宿・大久保57.4
3位銀座50.1
4位浅草47.4
5位秋葉原46.2
6位東京駅周辺・丸の内・日本橋45.2
7位上野37.2
8位原宿・表参道・青山35.4
9位池袋24.1

東京で1番訪問されているエリアは、67.4%の人が選んだ渋谷でした。2位に57.4%の新宿・大久保エリア、3位に50.1%の銀座がランクインしています。

渋谷は2022年の同統計から連続で1位を取っており、外国人観光客にとても人気のエリアとなっています。

特に人気なのは、スクランブル交差点とハチ公像です。「世界で最も混雑している交差点」と呼ばれるスクランブル交差点は、2010年代にSNSでその様子を撮影した動画が拡散され、知名度を急上昇させました。

新宿・大久保は2019年の同統計では1位でした。

歌舞伎町やゴールデン街など、整いすぎていない雑多な街並みが日本らしさを感じられて好評だそうです。その他には、バスタ新宿などの交通機関が発達しており、地方へのアクセスが良いことも魅力となっています。

3位となった銀座は、ショッピング目的で訪れる人が多いです。

松屋銀座、大型のユニクロや無印良品などがあり、世界でも屈指のショッピング街となっています。また、近代的な建物と歴史のある建物が融合した街並みが、日本の過去と現在を感じさせてくれます。

歌舞伎座で歌舞伎を鑑賞できることも大きな魅力です。

浅草や秋葉原も根強い人気を誇っています。しかし、浅草は混雑しすぎているため、最近では外国人観光客も浅草近辺を避けることが増えています。

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国別の東京観光地人気ランキング

ここからは、国別で人気が高い東京観光地ランキングを紹介していきます。

韓国

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位渋谷72.0
2位新宿・大久保59.4
3位銀座46.3
4位浅草41.7
4位秋葉原41.7
6位原宿・表参道・青山39.3
7位東京駅周辺・丸の内・日本橋36.4
8位上野28.2
9位六本木・赤坂22.3

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台湾

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位浅草56.3
2位渋谷52.8
3位東京駅周辺・丸の内・日本橋47.7
4位上野45.7
5位新宿・大久保45.0
6位銀座43.4
7位原宿・表参道・青山37.5
8位秋葉原35.3
9位築地23.8

香港

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位新宿・大久保58.6
2位渋谷54.9
3位銀座47.5
4位東京駅周辺・丸の内・日本橋46.7
4位秋葉原43.7
6位浅草40.1
7位池袋39.8
8位上野39.2
9位原宿・表参道・青山34.0

中国

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位銀座65.8
2位秋葉原51.4
3位浅草50.0
4位渋谷48.6
5位新宿・大久保45.9
6位東京駅周辺・丸の内・日本橋39.4
7位上野31.5
8位池袋29.5
9位原宿・表参道・青山28.4

タイ

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位渋谷70.3
2位新宿・大久保65.4
3位浅草58.2
4位上野56.0
5位銀座50.4
6位東京駅周辺・丸の内・日本橋43.3
7位秋葉原34.5
8位原宿・表参道・青山33.9
9位築地27.0

シンガポール

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位渋谷68.4
2位新宿・大久保65.7
3位銀座63.2
4位東京駅周辺・丸の内・日本橋57.0
5位浅草50.6
6位秋葉原49.6
7位原宿・表参道・青山37.8
8位上野35.2
9位築地25.6

マレーシア

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位渋谷70.9
2位新宿・大久保61.7
3位銀座58.2
4位浅草54.6
5位秋葉原48.3
6位東京駅周辺・丸の内・日本橋45.5
7位上野42.6
8位原宿・表参道・青山28.8
9位築地21.6

アメリカ

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位渋谷73.4
2位新宿・大久保60.0
3位秋葉原49.8
4位銀座49.4
5位東京駅周辺・丸の内・日本橋48.5
6位浅草41.8
7位原宿・表参道・青山34.9
8位上野29.4
9位六本木・赤坂28.3

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カナダ

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位渋谷76.0
2位新宿・大久保66.8
3位秋葉原55.2
4位銀座51.8
5位東京駅周辺・丸の内・日本橋50.7
6位浅草48.2
7位原宿・表参道・青山35.5
8位上野34.7
9位六本木・赤坂28.8

イギリス

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位渋谷87.3
2位新宿・大久保71.7
3位東京駅周辺・丸の内・日本橋59.5
4位秋葉原58.8
5位銀座58.3
6位浅草43.8
7位原宿・表参道・青山37.1
8位上野34.9
9位品川28.4

ドイツ

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位渋谷86.8
2位新宿・大久保66.2
3位秋葉原66.1
4位浅草64.1
5位東京駅周辺・丸の内・日本橋61.0
6位銀座50.7
7位上野43.4
8位六本木・赤坂30.9
9位原宿・表参道・青山30.5

フランス

順位訪問した場所選んだ人(%、複数回答)
1位渋谷92.9
2位秋葉原82.8
3位浅草82.6
4位新宿・大久保79.6
5位上野67.0
6位銀座66.0
7位東京駅周辺・丸の内・日本橋60.0
8位原宿・表参道・青山53.8
9位六本木・赤坂39.8

観光地としての東京の魅力

東京は、日本の伝統と現代が見事に融合した都市であり、その多様な魅力が人々を惹きつけます。

歴史的な面では、浅草寺や明治神宮といった名所で日本の文化や精神性を感じることができ、皇居や伝統的な庭園では静謐な時間を過ごせます。一方で、東京スカイツリーや渋谷スクランブル交差点、新宿の高層ビル群など、現代的な都市の空気を堪能できるのも大きな魅力です。

また、東京はショッピングやエンターテインメントの聖地でもあります。原宿や秋葉原では、最新のトレンドや日本独特のポップカルチャーに触れることができ、代官山や銀座では高級ブランドのショッピングが楽しめます。

さらに、お台場や豊洲のようなウォーターフロントエリアでは、美しい夜景や他にない観光体験が待っています。

自然との触れ合いも東京の大きな魅力です。代々木公園や新宿御苑には、都会の喧騒を忘れさせる緑豊かな空間が広がっています。そして、六義園のような伝統的な日本庭園では、歴史と自然が織りなす風景を楽しむことができます。

さらに、東京はグルメの宝庫でもあります。築地や豊洲市場での新鮮な海鮮、月島でもんじゃ焼きなどのローカルフード、東京駅のラーメンストリートで全国各地の味を楽しむことができるなど、幅広い食文化が魅力です。

夜には六本木や歌舞伎町といったエリアで、華やかなナイトライフも体験できます。

東京の魅力はその多様性にあり、誰もが自分に合った楽しみ方を見つけられる場所です。一つの都市でありながら、歴史、現代、自然、文化、食、エンターテインメントのすべてを体験できる観光地として、多くの観光客を集めています。

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観光地としての課題

アクセスの複雑さ

東京は交通網が発達しているものの、観光地間のアクセスが複雑で、観光客、とくに外国人観光客にとってはわかりにくい場合があります。観光地に到達するまでに手間がかかることで、訪問意欲が削がれる可能性があります。

また、公共交通機関が混雑しているため、快適な移動体験が提供できていないことも課題です。

オーバーツーリズム

浅草や渋谷など、一部の人気観光地では観光客が集中しすぎることで、地元住民との摩擦や観光地のキャパシティ超過が問題となっています。

観光客の過密はサービスの質低下や観光体験の満足度低下を招き、リピーターの減少に繋がる可能性があります。

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地域間での観光資源の偏在

渋谷、浅草、銀座など、いくつかの観光地に観光客が集中している一方で、多摩地域や下町エリアなど、観光資源が豊富でありながら活用されていないエリアも多く存在します。

観光地の分散が進まないことで、観光客に新たな選択肢を提供できず、観光産業の発展が特定エリアに限られてしまうという課題があります。

デジタル活用の遅れ

観光情報の提供や予約システムのデジタル化は進んでいるものの、多言語対応の不十分さや、デジタルインフラの整備が観光地ごとに差があります。

海外観光客が必要な情報にアクセスしづらい状況や、現地でスムーズに体験を予約・購入できない点は、観光体験の満足度を下げる要因となっています。

おわりに

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