外国人に人気の穴場観光地! 実は学芸大学駅がブーム! 今観光客が求めているものは「日本の生活体験」!
外国人に人気の日本の街と言えばどこを思い浮かべますか?浅草、京都、新宿あたりを思いついている人が多いと思います。
しかし、最近ではそのような世界的に有名な場所に加えて、日本のローカルな雰囲気を味わえるようなこじんまりとした場所を訪れる人が増えてきています。
例として、米The New York Times紙の”52 Places to Go in 2024“(2024年に訪れるべき52の場所)のリストでは、ライターのCraig Mod(クレイグ・モッド)氏が山口市を推薦し、見事リスト入りしました。
同氏は推薦文の中で、山口市はにぎやかな部分と静かな部分のバランスがとれており、まるでレコードのB面のような魅力を持った街であると表現しています。
実は、この山口市と似た理由で外国で人気になりつつある街がもう1つあります。タイトルにもあるとおり、学芸大学です。日本では学生に人気の街ですが、あまり外国人に知られている街という印象はありませんよね。
山口市と同じく、学芸大学も英Time Out誌が毎年作成している”38 coolest neighbourhoods in the world“(世界で最もクールな38の街)というランキングに日本で唯一掲載されました。
本記事では、上述のランキングとそれについての記事を紹介しながら、最近の日本旅行のトレンドをひも解いていきます。
海外で流行している日本の観光のトレンドとは? 日本に求められているものとは? 山口市についての記事を解説します!
「世界で最もクールな38の街」とは?
Time Out誌の”38 coolest neighbourhoods in the world”(世界で最もクールな38の街)は、同誌の人脈を駆使して、世界中のライターや編集者に意見を聞き、世界で最もクールな街のランキングを毎年1回作るという企画です。評価基準はその街の食べ物にはじまり、アート、文化、街の雰囲気などが含まれます。
“But in every neighbourhood on this list there’s something you won’t find anywhere else. Ever been to a photography museum that moonlights as a jazz club? Or a brewery with a library of Russian literature? How about a festival dedicated to fluff?”(Beard, 2024)
「このリストに載っている全ての場所に、他では見られない特徴があります。ジャズクラブをやっている博物館を訪れたことはありますか?ロシア文学で埋められた図書館が併設されている醸造所に行ったことは?綿毛のためのお祭りに参加したことは?」
編集部のビアード氏が自信たっぷりにそう話すとおり、紹介されている街のほとんどが世界でもマイナーなものとなっています。
学芸大学の魅力はどんなもの?
学芸大学は15位
学芸大学は15位でした。ランキングが38位まであったことを考えると、上位に入っていると言えますね。推薦者はTimeOut Tokyoの編集長であるLim Chee Wah(リム・チー・ワー)氏でした。
同氏は、“7 best summer Bon Odori festivals happening in Tokyo 2024”(2024年東京の盆踊りベスト7)や“14 best restaurants at Tsukiji Market: sushi, sashimi, tempura, soba, fish burgers and more”(築地のレストランベスト14)などの記事の編集を担当しています。
学芸大学の魅力とは?
ここからは、ワー氏の推薦文を引用しながら学芸大学が人気な理由を探っていきます。
騒がしすぎず、ゆったりできる
“While the crowds flock to more well-known neighbourhoods, the cool kids and insiders know that Gakugeidaigaku has a more relaxed vibe and is much less commercialised. “(Wah, 2024)
「多くの観光客は世界的に有名な街に群がるが、流行に敏感な若者や日本通たちは学芸大学がゆったりと過ごすのに最適な、あまり商業化されていない閑静な場所であることを知っている。」
“And being just four stations away from Shibuya, Gakugeidaigaku is the perfect antidote to all that city-centre madness.”(Wah, 2024)
「渋谷から4駅離れているだけで、学芸大学は都会中毒によく効く薬の役目を完璧にはたしている。」
ここで書かれている「世界的に有名な街」は渋谷だと考えられます。ご存知だと思いますが、渋谷は世界的にとても有名で、外国人観光客が必ず1度は訪れる場所といっても過言ではありません。
また、コロナ禍の反動で観光客が過去最多になったこともあり、今の渋谷は歩けないほどに混んでいます。
スクランブル交差点を筆頭に街中にモニターがたくさん設置されていたり、スクエアやヒカリエなどのさまざまな商業施設が乱立していたりなど、かなり商業化されている駅と言えます。
そのような渋谷に比べると学芸大学は人も少なく、ゆっくりと過ごせる場所ですね。
日本の街の雰囲気を感じられる
“Here you’ll find mom-and-pop grocers and local institutions like bathhouses co-existing with independent, creative restaurants, cafés and bars.”(Wah, 2024)
「学芸大学では、家族経営のこじんまりとしたスーパーやローカルな銭湯、ほかでは見ないようなレストラン、カフェやバーなんかがある。」
“It’s always worth catching one of the festivals in nearby Nakameguro, be it summer Bon Odori or springtime cherry blossoms.”(Wah, 2024)
「中目黒に近い場所では夏には盆踊り、春には桜などのお祭りをよくやっているので、参加してみるといい。」
上で書いたように、ワー氏は学芸大学の「あまり商業化されていない」ところを評価しています。ローカル、いわば地域密着型の店が多く、その街特有の雰囲気を感じられるところが良いのでしょう。
渋谷や新宿などのいわゆる都会では、インバウンド向けに開発されすぎていてその街の良さが消えてしまっているようなところもあります。
また季節を問わずやっているお祭りに参加することも、地域の雰囲気を感じることができます。
学芸大学ではそのようなことがなく、家族経営の店で買い物をしたり、盆踊りに参加したりすることにより、まるで自分が住んでいるような感覚になるのでしょう。
最近の日本旅行のトレンド
先ほどお話したように、外国人観光客に人気の場所といえば、浅草や京都などを思いつく人が多いと思います。
しかし日本旅行のリピーター、つまり日本通の人達のあいだでは、学芸大学をはじめとした別の場所がトレンドとなっています。その場所の共通点とはどのようなものがあるのでしょうか。
日本のリアルな生活を体験できる
最近では、日本人の生活を体験できるような場所が人気となっています。
Airbnbに家族や友人と泊まり、スーパーで食材を買って調理する、地域住民に人気のローカルな飲食店を利用するなどにより、日本に実際に住んでいる感覚を味わうことができるそうです。
redditやインスタなどで有名なレストランに行くよりも費用が安くおさえられ、日本の文化を肌で感じられることが良いのでしょう。
京都でできる茶道体験や着物の着つけも日本文化の一種ではありますが、いわゆる「外国人に分かりやすくした文化」に分類されており、私たち日本人にとっては身近なものではありません。
ワー氏が触れていた中目黒の季節ごとのお祭りなどのように、日本人が日常生活で実際にやっていることの体験が、旅行の目的になりつつあります。
日本の四季を感じることができる
SNS疲れ=自然へのあこがれ
スマホの普及により、世界的にSNS疲れを感じている人が増えています。
SNS疲れとは、つい人と自分を比べてしまったり、投稿への反応を気にしてしまったりなどのSNSへの過剰な意識によって心が疲れてしまうことをいいます。
そのため、SNSやスマホ自体から距離をおくデジタルデトックスが最近のトレンドになっているようです。
デジタルデトックスをする人の多くは、自然豊かな場所でゆったりと過ごしたいと考えています。そのため、キャンプや山登りなどの自然に触れるアクティビティが旅行の目的として人気になってきています。
外国人観光客の自然観光ブームは「SNS疲れ」が原因? 観光客から見た日本の自然の魅力って?
自然豊かな日本でデジタルデトックス
自然の中でのデジタルデトックスをする人たちにとって、日本は最適といえます。これほど四季がわかりやすい国はほかにないでしょう。
春には桜、夏には海、秋は紅葉、冬には雪を楽しむことができます。また縦に長い地形のおかげで、地域差のある景色を見ることもできます。日本にしか生息していないような動物もおり、ツアーやキャンプを通じてその姿を観察することができます。
そのため、SNS疲れを癒すことを目的として、日本の地方に旅行する人が増えています。自然豊かな場所で過ごすことにより、心身のリフレッシュができるのです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。本記事では、外国人から見た学芸大学の魅力と、日本旅行の最近のトレンドについて解説しました。
現在は渋谷などの世界的に有名な都市だけではなく、今まで観光客が少なかった地方にも注目が集まっています。
その地域ならではの食事や文化、イベントをアピールすることにより、外国人観光客の集客が効率よくできそうですね。自然豊かな場所であれば、キャンプや野生動物の観察ツアーなどのプランを作ってみるのも良いと思います。
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